こんにちは。
内山田ミキオです。
今回はギターのメンテナンスのお話。
「なんか音が変…」
ネックの反りも直しているのに特定の場所で何故か音がビビる、ペシャッと変なノイズがのる。フレットの状態はどうですか?
こんな状態になっていないでしょうか?
そう、フレットの磨耗が原因かもしれません。
こうなってしまった場合に、フレットのすり合わせやフレット交換というメンテナンスが必要になってきます。今回はフレットのすり合わせってどんなものなのか、実際に作業を行ってみながら書いていきます(^^♪
フレットの磨耗
フレットは洋銀(ニッケル・シルバー)という材質がよく使われており、素材としては弦(銅鉄製)よりも柔らかい素材です。頻繁に使うポジションの弦の下が磨耗するわけですが、プレイヤーの演奏スタイルや弾き方の違い、ギターの使用頻度や指の力の違いによって減るスピードも変わってきます。
これが原因で発生するトラブルとしては冒頭で説明した、特定のポジションでの音のビリつきやチョーキングが決まらないなどが起こります。
フレットすり合わせとは
フレットの磨耗には通常フレットのすり合わせで修正します。そうヤスリで削るわけです。一番磨耗した部分に合わせて全体を研磨する作業になります。ちなみに、特定のフレットだけを削らずに全体の高さを揃えるように研磨します。
なるべく自分ではやらない
やってみたというタイトルなのに何を言ってんだと思われるかもしれませんが、フレットのすり合わせはリペアマンにちゃんと依頼する方がいいです。フレットのすり合わせは素人が見よう見まねでできる技では決してないのでプロに依頼する方が賢明だと思います。ただギターが好きなら自分でやってみたい!と思うのもこれまた心情。
また、ギターのメンテナンスにはどんなことが行われているのか知りたいという方に向けてこの記事をお送りします。
それから、実際にこれからフレットのすり合わせをやってみたいという方は、いきなり自分の大事なギターに着手しないこと。とても練習が必要な作業です。今は1万円以下でも買える安いギターも多くあるので、メンテナンスの練習としてこうした安いギターで経験を積むのもいいと思います。
実践してみた
ではフレットのすり合わせ作業をしていきます!
今回はレスポールタイプのギターでやっていきます。
弦を外す・ついでの作業
まずは弦を外す。弦交換の際にもやるべきことですが、弦を外したらついでにペグの状態もチェックしましょう。案外ぶつけたりすることでペグは簡単に壊れてしまいます。
あとはネジが緩んでいないかも要チェック。
それから、普段弦が張られているとお掃除できないところもこの際ついでに綺麗にしちゃいましょう。
あとは、弦を外した状態でネックの反りを補正するのも忘れずに。トラスロッドを調整。あとはフレットの浮きが発生していないかも作業前にチェックしてください。
マスキングテープを貼る
すり合わせ作業の際にフレット以外の部分を誤って傷つけないようにマスキングテープをこれでもかと貼りまくります。フレットを避けて指板に貼ります。
ナットを傷つけてしまわないようにマスキングテープを何重かにして保護。
それからピックアップも保護。この後の作業でピックアップを傷つけないようにまず高さを下げてやり、それからピックアップの隙間にフレットの削りカスが混入しないようにマスキングテープでガードします。
本当はピックアップやトグルスイッチは外してしまった方がより安全なのですが…。
それからボディにも傷をつけてしまわないよう覆っておきましょう。
当て木とサンドペーパー
すり合わせをするために当て木を用意します。
かなり真っ直ぐ、正確に平面が出ているものを用意してください。少しでも湾曲がみられるものは使わないこと。ホームセンターの材木コーナーにて調達。
サンドペーパーは粒度400番から使います。600番、800番と使っていくわけですが私は2000番まで使います。まぁ、細かすぎる気がしますが私はバフの機械を持ってないのでサンドペーパーで念入りに…
こんな風に当て木に取り付ける。
サンドペーパーが弛んで隙間などができないようにピッタリと。
研磨作業
では削っていきますよ〜。
すり合わせを行う時はしっかりネックと平行に行う。
少し削ってみました。下の画像を見て欲しいのですが、フレットの山がしっかり均等に削ることと、弦によって磨耗している箇所をしっかり補正すること。
常にフレットの山をよく見ながら慎重に行う。日光やライトなどの光源が反射し見えやすい位置で作業をしましょう。
削るときの注意
400番のサンドペーパーは結構削れます。決して力を入れず、フレット表面を優しく撫でる程度の力で少しづつ行いましょう。
というわけで番手を変えながらすり合わせ作業を行いました。
指を使って磨く
当て木で研磨し終わったら今度は指でフレット全体を磨きます。2000番のサンドペーパーを使っています。
削った後のフレットをサイドから見るとこんな風に角が出ているので、丸みを持たせてやる。
正直これは目で見るよりも指先の感覚で丸みを確認する。指先で触ったときにバリ感や引っかかりを感じなくなる程度でOK。演奏時にスライドやチョーキングした時に嫌な感触を起こさない為に行っています。
研磨剤を使う
お次は研磨剤。こちらは楽器店などで売っているものです。
ティッシュに滲みませて
フレットを磨く。
フレットを削った後はこんなに汚い!
ちなみこの研磨剤でブリッジなども磨いています。
オイルを塗ろう
すり合わせ作業としては研磨剤で磨くところまでなのですが、この際です。オレンジオイルやレモンオイルをネックに塗ったくりましょう〜。これも楽器店に売っているものです。
マスキングテープを剥がしオイルをかけ
手で伸ばす。
しばらく放置。めっちゃいい匂いします。
と、いうわけで作業終了〜♪
ギターの修理代について
実際にギターを修理に出したことがある方はご存知かと思いますが、費用に躊躇してしまうことがあります。業者によっても変わりますが、修理内容によっては新しいギターが1本買えてしまうほどの金額になることもあります。それに、業者に見積もりを出してもらったときに、修理して欲しかった箇所とはまた別のトラブルを発見されたりして思っていたよりも高額になることもある。実際修理屋さんもどこまでの作業を行なっていいのか分からない時があるという話も聞いたことがあります。
それにしたって、必要な工具や部品代や手間などを考えれば相場的にはだいぶ安いらしいのだが…。
ー最後にー
ここまで読んでいただきありがとうございます。ギターを愛してやまない方の参考になれば嬉しいです。この記事を読んでもし、やってみようかなと思えた人はこの記事だけをみて実践するのではなく、ギターのメンテナンス本や、経験者が近くにいれば指導してもらいながらやって欲しいと思います。
必要な工具、手間などを考えると決して容易い作業ではありませんが、やってみると自分のギターにさらに愛着が湧いたり湧かなかったり。
というわけで、フレットのすり合わせをやってみたというお話でした!
今更そんな曲?って思うかもしれないけど大好きなんだよこの曲。#ギター好きと繋がりたい #弾いてみた #Godknows pic.twitter.com/mUxwVI5HLL
— 内山田ミキオ@内山田ミキオの雑記ブログ (@uchimiki0229) 2019年4月14日
それではここらで